NIHUプログラム イスラーム地域研究

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イスラーム地域研究

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プログラムの概要

拠点形成の目的

「イスラーム地域研究」は、イスラームとイスラーム文明に関する実証的な知の体系を築くことを目指す新しい研究分野である。その開拓と推進のために、2006年より人間文化研究機構(National Institutes for the Humanities:NIHU)と共同で、中心拠点の早稲田大学と、東京大学、上智大学、京都大学、東洋文庫の5拠点を結ぶネットワーク型の共同研究であるNIHUプログラム「イスラーム地域研究(IAS)」が始まつた。

本プログラムの第1期活動は5年間続き2011年3月に終了した。そして2011年4月からは第2期5カ年の活動が新たに始まり、2016年3月まで続くことになっている。

21世紀初頭の世界は、9・11事件(2001年9月11日)をかわきりに、混乱と戦火がアフガニスタン、イラクをはじめとして各地に広がった。さらに記憶に新しいところではチュニジア、エジプトなどから始まった「民主化」を求める民衆を巻き込む動きが、どのような影響と結果をもたらすのか未だ見えないままに、各地へ飛び火している。世界全体を揺り動かすことになるであろう、イスラーム地域におけるこのような激動が、いまなお進行している現在である。 これらの諸問題を正しく理解するためには、イスラームと各地域のムスリム社会のあり方を実証的に明らかにすることが必要である。

本プログラムの第2期においては、第1期(2006-2010/2011年)の研究成果を基礎として、研究テーマや課題を絞り込み、研究を深化・発展させることによって、日本におけるイスラーム研究・教育の特色ある拠点形成をめざす。具体的には、以下の3点を主要な課題として共同研究活動を展開していく。

1.

現地の研究者、研究機関との国際的な共同研究を実施し、「他者」と「当事者」双方の目を通してイスラームと地域の係わりを分析することにより、現代イスラーム世界について実証的な知の体系を築くと同時に、その理解の深化をはかる。

2.

次世代のイスラーム研究を担う若手研究者育成のために、部局の枠を越えた大学院教育の組織構築を検討するとともに、大学間の協力に努める。各研究拠点の活動が、イスラーム地域研究に関する大学院教育の充実につながるよう配慮するとともに、国内・国外の若手研究者が本イスラーム地域研究へ参加することを積極的に奨励する。

3.

以上の課題を踏まえたうえで、イスラーム地域研究のネットワークを構成する各拠点は、研究・教育環境、現有の研究スタッフ、担当する研究分野、独自予算の充実などを視野にいれながら「特色ある拠点づくり」をさらに推進する。

研究組織

イスラーム地域研究は、早稲田大学イスラーム地域研究機構を中心拠点とし、東京大学大学院人文社会系研究科、上智大学イスラーム地域研究センター、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、財団法人東洋文庫に置かれる5拠点を結ぶネットワーク型の研究組織をつくり、人間文化研究機構との共同研究として実施される。各拠点の研究領域・テーマは以下の通りである。

早稲田大学拠点(中心拠点):早稲田大学イスラーム地域研究機構
「イスラームの知と文明」総括責任者:桜井啓子
研究グループ:「イスラームの社会的実践とその理念」
東京大学拠点:東京大学大学院人文社会系研究科次世代人文学開発センター・イスラーム地域研究部門
「イスラームの思想と政治:比較と連関」総括責任者:大稔哲也
研究グループ:「近現代中東・中央ユーラシアの思想と政治」
上智大学拠点:上智大学イスラーム研究センター
「イスラーム近代と民衆のネットワーク」総括責任者:私市正年
研究グループ:「イスラーム近代と民衆のネットワーク」
京都大学拠点:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科附属イスラーム地域研究センター
「イスラーム世界の国際組織」統括責任者:小杉泰
研究グループ:「イスラーム世界の国際組織とグローバル・ネットワーク」
東洋文庫拠点:財団法人東洋文庫研究部・イスラーム地域研究資料室
「イスラーム地域研究史資料の収集・利用の促進と史資料学の開拓」総括責任者:三浦徹
研究グループ:「イスラーム地域研究史資料ネットワークの構築」

研究成果の公開

イスラーム地域研究プロジェクトの5年間にわたる研究活動の結果として、以下のような全体的成果のとりまとめをめざす。

1. 「イスラームを知る」シリーズの刊行
各拠点での研究成果を大学生および一般にわかりやすく解説したシリーズの刊行を継続する。
2. 「イスラーム原典叢書」シリーズの刊行
現代イスラームを知るための原典史資料を翻訳して解題を加えた「イスラーム原典叢書」の刊行を継続する。
3. New Horizons in Islamic StudiesとNew Islamic Area Studiesの刊行
英文論文集の前者の刊行を継続し、さらにモノグラフ・シリーズである後者の刊行を開始する。
4. 和文・英文のWebsite上での研究成果の蓄積
和文・英文のホームページを活用して、各拠点での研究成果を中心に情報を蓄積し、国内外に発信する。事実上、ニューズ・レターと同じ働きをする。
5. 国内・国外を含む研究者ネットワークの拡大
「イスラーム地域研究」で形成した研究者ネットワークをさらに拡大し、その充実をはかる。
6. 一般公開のシンポジウムや講演会を開催し、イスラーム地域研究の最新の成果を広く一般に提供することに努める。